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【要チェック】テント倉庫のシートはどう選ぶ?種類や選び方、おすすめ製品を解説

2024.12.12

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      スピーディに設置でき、コスト削減にもつながるテント倉庫。テント倉庫では屋根と壁面にシートを使用しますが、法律で倉庫内に保管するものや建設する地域によって選べるシートの種類が定められています。

       

      今回はテント倉庫のシートについて、種類や選び方、おすすめの製品までご紹介します。テント倉庫製造メーカーの視点を含めて詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。

       

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      テント倉庫とは

      テント倉庫とは、鉄骨の骨組みをシート状の膜で覆い、屋根や壁にした建築物です。「シート倉庫」「テントハウス」とも呼ばれ、従来の工法よりも少ない手順で設置できます。コスト削減や工期短縮ができる設備であり、さまざまな分野・使用用途で活用されているのが特徴です。

       

      テント倉庫は、「国土交通省告示第667号」で設置基準が細かく設定されています。また、テント倉庫を含む膜構造建築物の設置基準は「国土交通省告示第666号」に記載されています。端的にいうと、第667号はテント倉庫を安易に建築できるための緩和措置がなされた基準です。

       

      国土交通省告示第667号 国土交通省告示第666号
      対象 テント倉庫 膜構造建築物全般
      使用目的 倉庫・物品保管限定 倉庫・物品保管・作業場・運動施設など
      テント倉庫の規模 延べ床面積1,000㎡以下 制限なし
      高さ・間口の制限 軒高5m以下、間口30cm以下 最高13m以下
      壁面 壁が必要 壁面オープンの設計も可能
      屋根の形状 切妻・片流れ・円弧 切妻・片流れ・円弧
      テントの構造 骨組膜構造 骨組膜構造・サスペンション膜構造
      価格 風圧などの緩和措置がある分、安く建設可能 設置の自由度が上がるぶん費用は高め

       

      テント倉庫を建築する際は、工事着工前に建築基準法や自治体の条例などに適合しているかをチェックする必要があります。実際に依頼する場合は、建築確認もあわせてお願いできる企業を選ぶことがおすすめです。

       

      関連記事:テント倉庫の建築確認は不要?申請の必要性について解説

      テント倉庫のシートの選び方

      テント倉庫の壁面・屋根を担うシートには、さまざまな種類があります。どのシートを選ぶかは、倉庫内で保管するものや防火地域かどうか、床面積などによって法律で定められています。

       

      ここでは、テント倉庫のシートの選び方を、

       

      1. 保管するもの
      2. 建設地域
      3. 床面積
      4. 延焼の恐れの有無

       

      以上の4項目に分けて解説します。

      保管するもの

      テント倉庫に保管するものが不燃性の場合は「不燃性物品保管用」になり、可燃性のものが含まれていれば「可燃性物品保管用」に分類されます。それぞれの具体的な保管物は以下の通りです。

       

      不燃性物品保管用 可燃性物品保管用
      陶器・磁石・ガラス類・金属類・鉄骨など 紙・プラスチック・スチロール・木材・布製品など

       

      保管する物によって選択できるシートが異なります。

      防火地域・準防火地域・22条区域

      建物の密集地で火災が発生すれば大惨事になりかねません。そこで、延焼や緊急車両の通行を妨げないようにするため、法律により「防火地域」「準防火地域」「22条区域」が定められています。

       

      防火地域
      • 原則:鉄筋コンクリート造(耐火建築物)
      • 100㎡以下:準耐火建築物(屋根:不燃材料)
      準防火地域
      • 1500㎡以上:鉄筋コンクリート造(耐火建築物)
      • 500㎡超〜1500㎡以下:準耐火建築物(屋根:不燃材料)
      • 500㎡以下:屋根:不燃材料
      22条区域
      • 屋根:(令109条の5一号二号認定品)

      または屋根内膜用ガラス+令109条の5一号は認定品

       

      防火地域は駅周辺などの繁華街、住宅密集地が該当し、少し離れると準防火地域に分類されます。さらに遠方になれば条件が緩和される22条区域と変化します。テント倉庫の建設地域によって基準がさまざま変わる点に注意が必要です。

       

      この分類によって、選べるテント倉庫用のシートも異なります。各市町村では都市計画図を公開しているため、「地域名 防火地域」で検索すると調べることができます。

      床面積

      これまで解説した保管物品の不燃性・可燃性、さらに建築地域が防火地域であるかどうかに加え、床面積の広さによっても選択できるシートが異なります。

      延焼の恐れの有無

      テント倉庫を作る地域が「延焼の恐れがあるかないか」によってもシートの選択肢が異なります。

       

      延焼の恐れとは、建築基準法で定められている「延焼の恐れのある部分」を意味します。建物や道路には延焼ラインが設定されており、この内側に入る部分が「延焼の恐れのある部分」に該当します。

       

      テント倉庫の場合、本体部分がこの延焼ラインにかかると延焼の恐れがあるとみなされます。設置する際は延焼ラインから離すか、保管物品が不燃性の場合は不燃生地を使用し設置するかを判断する必要があります。

      テント倉庫のシートの種類

      テント倉庫のシートには種類があります。ここでは、3種類のシートの特徴をご紹介します。

       

      ハリケーン 長期耐用を可能とした強度のあるテント生地。屋外での使用から、屋内の間仕切りまでさまざまな活用方法ができる。特に屋外での使用時に効果を発揮する。
      クローザー 大型の膜屋根やテント倉庫などに使用される不燃性膜材。高い強度、長期的な耐用年数を実現しており、大型テントや膜構造スポーツ施設にも使用されている。
      SIKI62 耐久性と寸法の安定性、コストバランスに優れたシート。PVDFコーティングが施されており、防汚性・撥水性を増加させている。

       

      おすすめは機能性とデザイン性を兼ね備えた「SIKI62」

      先ほどもご紹介した「SIKI62」は、山口産業のオリジナル素材です。製品物性データを以下に記載します。

       

      2670mm
      基布 1100dtexPES
      重量 660g/m2
      厚さ 0.51mm
      引張強度 タテ1500 × ヨコ1500 N/3cm
      引裂強度 タテ200 × ヨコ200N
      表面処理 PVDF配合コーティング
      透光率 15.5%(ホワイト)
      防カビ性 防カビ性あり
      最大許容温度 -30~+70℃
      防炎認定 ㈶日本防炎協会 防炎製品番号 F-08024
      耐水性 1600mm以上
      国交省大臣認定 法第37条第二号(建築材料の品質)MMEM9039

      施行令第109条の5第一号(屋根の防火材料)UW9021

      品質規定 ISO9001準拠

       

      このSIKI62の魅力を4つの項目に分けて解説します。

      豊富なカラーバリエーション

      SIKI62は名前の通り、四季折々の色彩をイメージするカラーバリエーションを有しています。

       

      企業のテーマカラーやブランディングに合わせて選ぶこともでき、周囲の環境にも馴染みのよいカラーラインナップです。また、屋根を高い透光率を持つホワイトを選ぶと採光性を高めることで省エネ効果も期待でき、ツートンカラーで従来品の常識にとらわれない意匠性・デザイン性のあるテント倉庫が実現します。

      汚れにくい

      防汚性の高いPVDF表面コーティングを施すことで、汚れにくさを実現しています。高い撥水(はっすい)作用が期待できるため、汚れ分子を含む水滴を撥水して汚れの滞留を防ぎます。また、表面フラット性により通常品より摩擦係数を40%低減しており、滑雪性にも優れているのが特徴です。

       

      PVDF表面コーティングは表面クラックを抑えることで、紫外線の侵入も防げます。汚れの内部侵入も防ぐため、長期的な使用による染み付きも抑えられます。

      強度が高い

      ヨコ方向のたわみが小さく、強度が高いのもSIKI62の特徴の1つです。ヨコ方向にテンションをかけたとき、膜材の伸びは通常品の1/3程度、ヨコ方向に2mスパンで膜材を張った場合はたわみ幅が通常品の1/2程度となります。

       

      経年によるヨコ方向のたるみも抑え、風によるバタつきや水たまり、雪だまりの発生も低減させられます。降雨や降雪によって、テント倉庫の強度が気になる地域での設置も安心です。

      耐久性が高い

      基布の上のコーティング層が、通常品と比べ約2倍の厚みを持ちます。そのため、ポリエステル糸を紫外線から長期間保護し、張力も長期間維持することが可能です。

       

      紫外線や大気汚染、摩擦からの保護層が厚いことで、高い耐久性を実現できます。

      テント倉庫につけられるオプション

      テント倉庫はシートと骨組みから成る建築物という印象がありますが、さまざまなオプションを付けることができます。

       

      保管物品によっては高価なものもありますが、ドアやシャッターなどで防犯性を高め対策可能です。また、倉庫内で作業する際の暑さ対策として、換気扇や窓、空調設備を設置できます。

       

      オプションの選び方はテント倉庫の使用目的、保管物品や作業内容によって異なるため、設置の際は専門企業への相談がおすすめです。

      テント倉庫の価格の目安

      テント倉庫の価格は、

       

       

      などで異なります。以下に自由設計のテントの参考価格表をまとめます。

       

      サイズ 防炎生地使用の場合
      (W)10m×(L)18m×(H)5m

      面積180㎡/坪数約54坪

      449万6,400円

      (@24,980円/㎡)

      (W)15m×(L)21m×(H)5m

      面積315㎡/坪数約95坪

      643万1,040円

      (@20,416円/㎡)

      (W)20m×(L)24m×(H)5m

      面積480㎡/坪数約145坪

      919万80円

      (@19,146円/㎡)

      ※基礎やオプション設備品含まず

       

      テント倉庫についてよくある質問

      テント倉庫について、よくある質問を3つまとめました。スピーディな設置が可能でコストも削減できるテント倉庫ですが、「耐用年数」や「積雪、暴風に耐えられるのか」「シートが破けたときの対応方法」などは気になる点です。

       

      以下の回答を参考に、テント倉庫への理解を深めてください。

      テント倉庫の耐用年数はどれくらいですか?

      テント倉庫の耐用年数は使用環境、使用膜材によって異なります。一般的には、テント倉庫の耐用年数は10~15年です。膜構造建築物だと15~20年で張り替えの目安がやってくるため、耐用年数を含めて最適な膜材を選び、設置計画を立てるのがおすすめです。

      積雪や台風が多い地域でも大丈夫ですか?

      積雪や台風が多い地域でも、テント倉庫を設置できない場所はありません。全国の基準に準じた設計が可能です。

       

      積雪や暴風に耐えるテント倉庫を設置するには、

       

       

      などの工夫が施されます。

      シートが破れてしまったらどうなりますか?

      部分的なシートの破れだと、専用の接着剤で貼り付けることで補修できます。50センチ以上の破れについてはテント倉庫設置メーカーなどに問いあわせる必要がありますが、張替費用は建設費用の30%前後が相場です。

      まとめ

      テント倉庫に使うシートは、倉庫内の保管物品や地域によって法律で定められています。本記事で解説したように、やや複雑な印象を受ける使用膜材選びは、着工前に十分検討することが必要です。失敗を防ぐためには、信頼できる専門業者に相談することをおすすめします。

       

      山口産業では、本記事で取り上げたテント倉庫のシート選びに関する相談も承っています。オーダーメイドテント倉庫でありながら、設計から製造、施工までを一貫して行うため、建築確認や申請もスムーズです。気になる方はぜひお問い合わせください。

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