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倉庫の暑さの原因は?対策と重要性について解説

2024.06.18

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      倉庫内の暑さ対策を行う重要性は年々増しています。夏になると気温が急上昇する昨今では、倉庫内の温度が著しく上がることが多くなっています。このような状況下では、熱中症による被害が深刻化しており、従業員の健康と安全が脅かされています。

      倉庫の暑さ対策は、単に従業員の健康と安全を守るだけにとどまりません。適切な暑さ対策を講じることにより、作業効率の向上が期待できます。また、倉庫内の温度管理が適切に行われることで、製品の品質を維持することも可能です。

      この記事では、倉庫の暑さ対策や暑くなる原因について解説します。具体的な改善を行いたい方は、ぜひ参考にしてください。

       

      気温の上昇と熱中症の被害

      近年、日本の夏の気温は記録的な高さを更新し続けています。熱中症による健康被害が深刻化している昨今、倉庫の暑さ対策はきわめて重要なテーマのひとつです。

      気象庁の発表によると、2022年度の夏は平年よりも1.76℃も高い猛暑となり、多くの地域で最高気温が35℃以上の日が続出しました。こうした異常な高温は、熱中症のリスクを大幅に高める要因となっています。

      厚生労働省の統計では、2022年度の職場における熱中症による死傷者数は827人にのぼり、そのうち運送業では129人の被害が報告されるほど深刻です。この数値は建設業や製造業に次いで多い数字であるほか、倉庫内の高温多湿な環境が熱中症の発生に大きく関与していることを示唆しています。

      熱中症は重篤な症状を引き起こす可能性があるため、倉庫内の暑さ対策は従業員の生命と健康を守るうえで重要です。あらためて倉庫内作業の気温上昇と熱中症の被害について理解を深め、万全な対策を実施していきましょう。

       

      倉庫の暑さ対策の重要性

      倉庫の暑さ対策は、従業員の安全、作業効率、製品の品質維持、離職防止のためにもきわめて重要です。何の改善も行わないまま放置すると、大きな事故に発展するばかりか離職率が高くなる可能性があります。

      ここでは、倉庫の暑さ対策の重要性について詳しく解説します。

       

      従業員の安全のため

      倉庫内の過酷な温度環境は、従業員の健康と安全に脅威をもたらす要因です。なかでも熱中症はもっとも起こりやすい健康被害のひとつで、高温多湿な環境下で長時間の作業を行うことにより発症するリスクが高まります。

      初期症状としては、めまいや頭痛、吐き気などがあります。重症化すると意識障害や多臓器不全を引き起こし、最悪の場合は死に至ることもあるので注意が必要です。

      従業員の生命を守り、安心して働ける環境を提供するためには、適切な倉庫の暑さ対策が欠かせません。快適な温度環境を維持することで、熱中症のリスクを大幅に低減し、従業員の体調管理をサポートできます。

      また、安全で健康的な職場環境を構築することは、従業員の満足度やモチベーションの向上にもつながるので重要です。生産性の向上や人材定着を実施する場合にも有効といえるでしょう。

       

      作業効率のため

      倉庫内の高温多湿な環境は、従業員の作業効率に大きな影響を及ぼします。

      暑さによる体力の消耗や集中力の低下は、作業ミスや事故のリスクを高めるだけでなく、生産性の低下を招く可能性が高いです。また、頻繁な休憩や水分補給の必要性から、作業の中断も避けられません。

      これらの要因は業務のスムーズな遂行を妨げるほか、納期の遅れや顧客満足度の低下につながる可能性が高くなります。快適な温度環境を維持することは、従業員のパフォーマンスを最大限に引き出せるうえに、作業効率を向上させることが可能です。

      適切な倉庫の暑さ対策は、生産性の向上と業務の安定化を実現できます。企業の競争力強化にも貢献するので、クリアすべき重要なテーマのひとつです。

       

      製品の品質維持のため

      倉庫の暑さは、保管している製品の品質にも悪影響を及ぼす可能性があります。とくに食品や医薬品、電子部品など、温度管理が重要なものは適切な保管環境の維持が不可欠です。

      倉庫に保管されている製品は、高温下で長期間保管されると変質や劣化が進行し、商品価値が損なわれるリスクがあります。また、温度変化による結露の発生は、カビや細菌の繁殖を促進し、衛生面での問題を引き起こす恐れもあるので注意が必要です。

      倉庫の暑さ対策を適切に実施することで、製品の品質を維持できるほか、商品ロスを防げます。温度管理の徹底は顧客満足度の向上や企業イメージの向上にもつながるため、ビジネスを成功させるためには欠かせない要素といえるでしょう。

       

      離職防止のため

      倉庫内での快適な作業環境は、従業員の定着率に大きな影響を与えます。とくに暑さや寒さなどの過酷な環境は、従業員の心身の健康に悪影響を及ぼし、仕事へのモチベーション低下や早期離職の原因となる可能性があるので注意が必要です。

      昨今の物流業界では人手不足が深刻化しており、優秀な人材の確保と定着が重要な課題となっています。倉庫の暑さ対策を講じることで、従業員の満足度を高められるほか、働きやすい環境を提供することが可能です。

      快適な職場環境は従業員のエンゲージメントを高め、長期的な勤続につながります。また、暑さ対策への取り組みは、従業員の健康と安全を重視する企業姿勢を示すことにもなり、企業の社会的評価の向上にも強く影響するでしょう。

      人材の定着と育成は企業の持続的な成長と発展に必要不可欠です。倉庫の暑さ対策はその基盤づくりに貢献します。

       

      倉庫で熱中症が起こる原因は?

      倉庫で熱中症が起こる原因は、光熱費の削減をはじめ、折板屋根の輻射熱、空調設備の故障や老朽化が挙げられます。

       

      光熱費の削減

      倉庫は広大な空間を有していることもあり、冷房にかかる光熱費が大きな負担になる場合があります。コスト削減を優先するあまり、冷房の使用を控えたり、設定温度を高めにしたりすると、室内温度は上昇するばかりです。結果、熱中症のリスクが高まる可能性があります。

      従業員の健康と安全は何よりも優先されるべき事項です。倉庫の適切な温度管理を行うためには、初期投資が必要となる場合もあります。しかし、長期的な視点に立って考えれば、従業員の生産性向上や離職防止などに効果が見込めるため、コスト削減につながるといえるでしょう。

      光熱費の削減は従業員の健康や安全のバランスを取るためにきわめて重要です。経営層の理解と投資をクリアして、快適な倉庫内作業を実現させましょう。

       

      折板屋根の輻射熱

      倉庫の屋根材として広く使用されている金属製の折板屋根は、夏の強い日射により高温になりやすい特性があります。太陽光を吸収した場合の表面温度は70〜80℃にも達する ことがあるため、高温部分から放射される輻射熱は倉庫内部の温度上昇を引き起こす要因です。

      輻射熱は空気を介さずに直接人体に伝わるため、体感温度を大幅に上昇させます。また、上から下へ移動する性質があるため、屋根から床面、そして人体へと熱が伝わり、熱中症のリスクが高くなる可能性があるでしょう。

      折板屋根の輻射熱を対策するためには、倉庫の暑さを抑える努力が必要です。断熱材の設置や遮熱塗料の塗布など、効果が期待できる方法を実施していきましょう。

       

      空調設備の故障や老朽化

      倉庫内の空調設備の故障や老朽化は、暑さ対策の大きな障害となります。広大な空間を効果的に冷やすためには、十分な能力を持つ空調設備が不可欠です。

      しかし、長年の使用による経年劣化やメンテナンス不足により、空調の効きが悪くなったり、故障したりして室内温度の上昇を招く可能性があります。また、設備の能力不足や不適切な配置なども、局所的な温度ムラを生み出す要因です。

      空調設備を正常に稼働させるためには、定期的な点検とメンテナンスが必要になります。性能を維持することは暑さ対策を実施するうえでもっとも重要なことです。また、設備の更新時には、倉庫の規模や用途に合わせた適切な機器を選ぶことが求められます。

      効果的な空調設備を導入して運用すれば、倉庫内の温度管理を徹底することが可能です。暑さ対策の基盤とするためにも、空調はこだわり抜いた方がよいでしょう。

       

      倉庫の暑さ対策

      倉庫の暑さ対策は、シーリングファンの導入、間仕切りカーテンの導入、遮熱シートの設置が効果的です。個人で可能な暑さ対策としては、空調服の着用やネッククーラーの使用、水分補給が挙げられます。

      いますぐ実施できる対策もあるので、倉庫の暑さに合わせて導入を検討しましょう。

       

      シーリングファンの導入

      シーリングファンは倉庫内の空気循環を促進し、体感温度を下げる暑さ対策に効果的なアイテムです。天井に設置された大型のファンが室内の空気をかき回し、温度ムラを解消してくれます。導入することによって冷房効果を広範囲に行き渡らせ、快適な環境を作り出すことが可能です。

      また、エアコンとの併用によって、冷房効率を大幅に向上させることができます。エアコンのみを稼働させる場合と比較すると、設置コストや運転コストを抑えられるので効果的といえるでしょう。

      シーリングファンを選ぶ際は、倉庫の広さや天井高、設置場所などを考慮し、適切な機種をピックアップすることが重要です。また、定期的な清掃やメンテナンスを心がけ、長期的な性能の維持と安全性の確保を目指すこともポイントになるでしょう。

       

      間仕切りカーテンの導入

      倉庫内を適切に区画することは、冷房効率を高められるほか、エネルギー消費を抑制できます。とくに間仕切りカーテンの導入は、倉庫内のスペースを柔軟に区切れるため、重宝するアイテムのひとつです。

      カーテンを導入して必要な場所だけを集中的に冷房することで、無駄なエネルギー消費を防ぎ、光熱費の削減につなげられます。また、外気の侵入を防ぐことが可能になるため、冷気の流出を防ぎ、室内温度の安定化も実現することが可能です。

      間仕切りカーテンは用途や目的に応じて、さまざまな素材や機能を持つものが用意されています。たとえば、防虫や防塵、防炎、静電気防止などの特殊機能を持っているものを選ぶことで、衛生面や安全面での効果も期待できるでしょう。

      導入する際は倉庫のレイアウトや動線、保管物の特性などを考慮し、配置が最適になるよう努めることが重要です。

       

      遮熱シートの設置

      折板屋根からの輻射熱を軽減するためには、遮熱シートの設置が効果的です。屋根の表面や裏面に貼り付けることで、日射による熱の吸収を防ぎ、輻射熱の影響を大幅に抑制できます。

      とくに高反射率の特殊なコーティングが施されたシートを設置すれば、太陽光のエネルギーを反射し、屋根材の温度上昇を防ぐことが可能です。結果、倉庫内部への熱の侵入が減少し、空調負荷の軽減につながります。

      遮熱シートは施工が比較的かんたんなので、既存の屋根材に後付けすることが可能です。導入のハードルは低いほか、耐久性に優れているため、長期間にわたって安定した遮熱効果を発揮してくれます。

      その他にも内側の場合は、膜の内側に施工し、膜との間に空気層をつくり遮熱シートで室内への熱伝導を軽減する方法もあります。また、外側の場合にはルーフシェードというものがあり、折板屋根に金具を取り付け施工することも可能です。

      導入する際は屋根の形状や材質、劣化状況などを考慮し、相応しい製品を選定することが重要です。また、定期的な点検とメンテナンスを行い、遮熱シートの性能を維持し、安全性を確保するよう努めましょう。

       

      個人で可能な暑さ対策

      個人で可能な暑さ対策は、空調服の着用、ネッククーラー、水分補給が定番です。

       

      空調服の着用

      空調服は服に内蔵されたファンにより、衣服内の空気を循環させ、体表面の汗を効果的に蒸発させる機能を持っています。特別なことをしなくても体感温度を下げられるため、熱中症のリスクを手軽に軽減することが可能です。

      さらにはバッテリー駆動のため、屋内外を問わず使用できます。作業者の行動範囲を制限することなく、暑さ対策を行うアイテムとして重宝するでしょう。

      また、さまざまなデザインに対応した空調服が用意されているため、作業内容や環境に合わせて最適なものを選べます。

      空調服は作業者の体調管理と熱中症予防に大きく貢献するだけでなく、生産性の向上にもつながります。ただし、バッテリーの充電や交換、ファンの清掃などの定期的なメンテナンスが必要です。

       

      ネッククーラー

      ネッククーラーは首の周りに装着することで、体の熱を効率的に逃がし、体感温度を下げる効果があります。首は体の中で血流が多いため、集中的に冷やすことで、全身の体温を効果的に下げることが可能です。

      ネッククーラーには保冷剤を内蔵したタイプや、水に濡らして使用するタイプなど、さまざまな種類が用意されています。保冷剤タイプは長時間の冷却効果が期待できる一方、水で濡らすタイプは手軽に使用できる点がメリットです。

      いずれも軽量かつコンパクトなため、作業の邪魔にならずに暑さ対策を行えます。

       

      水分補給

      暑い環境下での作業では、体内の水分が汗として失われるため、こまめな水分補給が欠かせません。水分補給は熱中症予防の基本であるとともに、体内の水分バランスを維持し、体温調節機能を正常に働かせるために必要な行為です。

      喉が渇く前から行うことを徹底し、定期的に時間を決めて実施すると効果を期待できます。また、汗で失われた塩分を補うために、経口補水液やスポーツドリンクを活用することも有効です。

      ただし、カフェインやアルコールを含む飲料は利尿作用があるため、熱中症のリスクを高める可能性があります。水分補給は個人の体調や作業強度に合わせて適切に行ってください。

      暑さ対策のほかにもさまざまな問題があります。こちらの記事では、結露について解説しています。対策方法や原因についても取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

      https://en.membry.jp/wp-ymgc/column/ketsuro/

       

      まとめ

      倉庫の暑さ対策は、従業員の健康と安全を守ってくれるほか、作業効率を向上させ製品の品質維持に欠かせません。人材の定着を促進するためにも、非常に重要な課題です。

      近年の気温上昇と熱中症による被害の拡大を考慮すると、倉庫内の環境改善に向けた積極的な取り組みが強く求められています。

      暑さ対策ができるアイテムの導入は効果的ですが、場合によっては成果が得られない可能性もあります。そんなときはニーズに合わせてオーダーメイドできる、山口産業のテント倉庫をご検討ください。

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